えびなのVR隠居生活

ローテンション現代隠居

「思い立ったら隠居 週休5日の快適生活」:シワシワ自己完結のコツ

先日、ebookjapanの新規登録キャンペーンで、本が70パーオフで買えてしまうということをしりました。 何か買いたかった本があった気がするんだけどなぁとダラダラと過ごしていたら、 気づけばキャンペーンのことなんで全部忘れてしまっていて、一ヶ月も経ってしまっていました。 ブログを書くことも忘れてしまったいたのですが、急にまた文章が書きたくなって、今はこうやって書いているわけです。 VRのことも書きたいんだけど、ちょっと今はあんまり書くことがないかも知れません。

というわけで、かねてから読みたかった、「思い立ったら隠居 週休5日の快適生活」という本を購入しました。 このブログのタイトルにも隠居が入っていたりと、何かとシンパシーを感じるタイトルで、ずっと気になっていたのです。

シワシワ自己完結

どういう本なのかというと、 20代にて東京で週休5日の隠居生活を送る大原扁理さんが、月10万で、細々と毎日楽しく生きていくコツを、「キラキラ自己啓発」ならぬ 「シワシワ自己完結」として語ってくれる本です。

週休2日じゃなくて、週休5日で。しかも東京で月10万の生活ですよ。書き間違いじゃありません。 月10万で、週休5日なんて一体何をして過ごすんだとか、飯は食っていけるのかとか、人生楽しいのかだとか、いろんなことが気になって仕方ないと思います。 そんな浮かんでくる疑問をちょいちょいと一つずつ答えてくれるような本でした。

「世間」に生きるのではなく、「隠居」することを選んだ大原さんの生活は、なかなか考えさせてくれるものでした。

特別なことが何もない

この本が素晴らしいのは、「筆者は特別なものを持っていない」というところです。

この手の本はちょいちょい拝見するのですが、「遺産で不動産を持っていて」だとか、「ブログで月10万の収益があります」だとか、そういう筆者が「持っている側」であり、ただただその自慢になっちゃっている場合がありました。

最初はどうやって生きていくのか気になって読むのですが、途中で「そういう要素」が出てくると、急に面白くなくなっちゃうんですよね。

こっちは、’真面目に人生のヒントを得るために読んでるのに、自慢話をするおじさんに絡まれるとやる気が無くなってしまうわけです。

そういうおじさんが、この本では出現することがありません。

高卒で、介護の仕事をして、親の遺産があるわけでもなく、一人暮らし。 毎日のほとんどが自由時間で、夢を追っているわけでもない。そしてさらっと明かされるゲイ。

読み手側にプレッシャーを与える要素が全く存在しないのがわかるでしょうか。 まえがきの部分で、筆者自身が「プレッシャーを与える要素は一つもありません。」と書いているぐらいなので、そのあたりは意識して書かれたのかなと思います。

恥とかを捨てることができれば、だれでもできるような生活。そんな生活に前もって飛び込んだ大原さんが、優しく新しい世界へ導いてくれます。

意外と健康的

読んでみて驚くのは、大原さんは精神的にも身体的にもめちゃくちゃ健康意識が高いというところです。

週休5日で生活しているというから、もっとヤバヤバな限界生活。毎日もやし炒めで普通の人なら精神病棟まっしぐらみたいな生活を想像していました。

実際はそんなコト無く、毎朝ラジオ体操をかかさず、そのラジオ体操から自分の健康状態を確認。ちょっと悪そうなら、すぐに民間療法で対処しよう。 お昼は健康的に一汁一菜の粗食で、夜は早く寝る。 そういう生活です。

普通の社会人のほうが、よっぽど不健康な生活をしているんじゃないでしょうか。 ゆっくりと生きているからなのか、大原さんはものすごく自分に対するレーダーが敏感です。ちょっとした自分の体調が悪くなる前兆をしっかり掴んでいます。

今の世の中では、自分レーダーが軽視され過ぎているような気がします。 そういうことを、思いました。

食に対するこだわり

本の中では、ひたすら衣食住をたのしみながら、どうやってコストを抑えていくかみたいな話がかいてあるのですが、その中でも食の内容が圧倒的に多かったです。

最初の章で朝ごはんの話をしたから、次は住かなとかおもっていたら、またなぜか昼飯だけの章がでてきて、最後の方にも出てきます。

そういうところからわかるように、月10万の生活ながらも毎日のご飯はちゃんと楽しんでいるわけです。 ギリギリのご飯というわけではなく、お坊さんが食べているような粗食。そういうもののレシピやコツが、内容の3割ぐらいをしめています。

季節を楽しみながら、今日は何を作ろうかなとお昼ごはんを考える。そういう毎日生きること自身の喜びを、誰よりも感じているんだなと思いました。

意外と現実的

なんだか「意外と」ばっかりになっちゃっているような気がします。

毎日能天気に生きているのかと思いきや、むしろ現実的なことがちょいちょい書いてあります。 食費は実際にいくらかかっているのかを家計簿を見せてくれたりとか、このままで大丈夫なのかとか。

そういうことから目をそらして「その日暮らし」をしているわけではなくて、 「どうやって毎日この生活を維持するか」をちゃんと現実的に考えた内容がぼちぼち出てきます。

こういうことが書いていてくれていると、こちらもちゃんと考えて見ようかなと言う気分になります。

全部の決定権は自分にある

この本の中で、隠居生活についてこう書いてありました。

「全部の決定権が自分にある生活」と。

ソレを見た時、なんとなくこの本に何を求めて選んだのかがわかったような気がしました。

寝るも起きるも、遊ぶのも働くのも。 全部の決定権がじぶんにある生活。

現代人には失われたそんな生活を、とりもどしに行ってみませんか。

 さいごに

こういう最後にまとめるの文章が、いつもうまいこと書けないんですよね。

文才があるわけでもないし、いい感じにまとめられるわけでもない。 まぁいいかと思いつつとりあえず書いているわけです。

この本はそういうところを肯定してくれているような気がします。

とりあえず、大学院を卒業したら、最低限の生活をする練習をしてみようかなぁ。

思い立ったら隠居 ――週休5日の快適生活 (ちくま文庫) | 扁理, 大原 |本 | 通販 | Amazon